不安になっている妊婦さんが安心できる予定帝王切開レポを目指して書いていきます!
前記事からの続きです。(2/3)
手術室へ向かうまで
いよいよ手術当日です。
帝王切開は14時から開始の予定でした。
絶食中のため、朝食はなし。
身支度を整えてのんびり過ごします。
病室の窓から、娘が誕生する日の空を撮影しました。

手術後はベッド上安静となるため、念入りにシャワーをしておきます。
いよいよ、手術の準備がはじまりました。
手をかえ人をかえ、私の血管に点滴を刺そうと助産師さんが頑張ります。
刺しやすいと好評だった私の血管も、妊娠した途端に採血ができなくなってしまったんですよね。
点滴も同じみたいで、4回目のチャレンジでどうにかルートが確保できました。
少し太めの針でぐりぐりされるのでそれなりに痛かったのですが、想像通りの痛みで、耐えられる痛みでした。
この時の私は「この後はどんな痛いことが起こるんだろう」と想像して恐怖に震えていたので「痛いなあ」と思う程度でしたが、あとから振り返ればここが痛みのピークでした。
とよちゃん点滴が一番痛かったの?



単純な痛みの強さで言うなら、そうですね。
点滴が一番痛かったです!
そして、最後のNSTをします。
数時間後にはこの子はお腹の外にいるんだなあと思うとどんどん実感が湧いてきて、緊張が高まっていくのを感じました。
話し相手になってもらい、少しだけリラックス。
手術後に備えて、ベッド周りの環境を整えておきます。
ペットボトルにストローキャップをつけて冷蔵庫にいれたり、手の届く位置に充電ケーブルを置いたり。
こちらのものを持って行って大活躍でした。
「すみません、開始時間が早まりました。12時には手術室に入りましょう!」
突然、手術の開始時間が2時間も早まりました。
破水して緊急帝王切開が必要な妊婦さんがいるので、急ぎたいとのこと。
むしろ先にそちらの手術をした方がいいのでは?と思いましたが、いろいろ都合があるようで。
夫は「もうすぐ会える!」と喜んでいましたが、これから心の準備をしようと思っていた私は軽くパニックに。
ジェットコースターの長い行列が終わり、搭乗口に着いてしまった時の気分に似ていました。
お手洗いをすませ、身に着けるものは手術着1枚と弾性ストッキングのみ。
点滴棒を押して担当の助産師さんと一緒に手術室へ向かいます。
不安と緊張で心臓はバクバクです。
それを察してか、助産師さんが「楽しみですね、すぐに会えますよ」と声をかけてくれました。
一緒に手術室に入って赤ちゃんのお世話までしてくださるとのこと。心強いです。
帝王切開
エレベーターが開くと、ドラマや映画でしか見たことのない光景が広がっていました。
真っ白な壁の中に高くて大きい、重たそうな銀の扉が並んでいます。
助産師さんに案内され、割り当てられた手術室の前へと進みました。
手術室の前には昨日のオペ室看護師さんがいて、氏名とこれから何の手術をするのかを言うよう促されます。
あれこれ考える間もなく手術用のキャップをかぶされ、貴金属をつけていないかチェックされ、点滴棒を外されました。
そのまま手術室に入り、手術台に直行して横になります。
手術室は学校の教室くらいの広さで、中心に手術台がありました。
右手側には赤ちゃん用の保育器や機械が並び、左手側にはモニターと麻酔医が待機しています。
「麻酔医の△△です。手術中は僕がずっとここにいて、細かく対処するので安心してくださいね。不安なことがあればいつでも声をかけてください。よろしくお願いします」
と言っていただけて、少し気持ちが落ち着きました。
麻酔は脊髄クモ膜下麻酔のみです。
お腹側と背中側の看護師さんに体を支えてもらい、なんとかエビのように丸まりました。
手術台の横幅が狭く、支えてもらわないと落ちそうで怖かったです。
手術着がめくられ、腰に冷たい液体が塗られます。
「まずは麻酔のための麻酔をします。チクっとしますよー」と、処置が始まりました。
この注射は、歯科でする麻酔に似ていました。
細い針を刺し、骨の近くにさまざまな方向から少しずつ液体を入れられ、感覚が鈍くなっていく感じです。
違和感はありますが、採血よりも痛くありません。
採血を3とすると、先ほどの点滴が6、麻酔が1くらいの痛みです。
その後、本番の脊髄クモ膜下麻酔を刺しましたが、なにかをしているのがかろうじてわかる程度で全く痛くありませんでした。
押される感覚もほとんどなく、1分もかからずに終わり、仰向けに戻ります。
手術着が外され、体に緑の布がかかります。
顔の前についたてが置かれて、上半身から下が見えなくなりました。
はりつけのような形で両手が固定され、コードや管をたくさんつけられ、準備が進んでいきます。
いよいよ怖くなってきますが、麻酔という第一関門を乗り越えた安堵感がありました。
「何か感じますか?」
ついたて越しに麻酔医の先生が尋ねてきます。
さまざまな帝王切開レポを熟読していた私は、ピンときました。
麻酔の効き具合をチェックされている!と。
おそらく保冷剤か何かを当てているのでしょう。
ここで甘い判断をしたら大変な目に合うに違いない、絶対に何も感じなくなるまでしつこく確認しようと決意します。
「感じる気がしなくもないです」と答えてみました。
主治医からの説明では麻酔がかかっても触覚は残るとのことでしたが、正直触れられていることすらわかりませんでした。
どこを触られて何をされているか、さっぱりでした。
「これをおへその横に当てていたのですが、冷たい感じはありましたか?」
予想通り保冷剤が当てられていたようで、右腕に当てられると冷たくて痛いくらいです。
『温度もわからないし、触られている感覚すら鈍すぎてほとんど感じない』ことを確信できるまで何度か付き合っていただき、チェックが終わりました。
この後、両足を内診台のように固定し尿のカテーテルをつけている様子がありましたが、感覚はありませんでした。
いつの間にか執刀医も到着して、ドラマで見る「オペをはじめます」を私のお腹の上でやっていました。
ついたて越しの執刀医に「すぐに会えますからね!頑張りましょう!」と言われます。
上を見ると手術用の円盤みたいな照明の銀色の部分に、自分の腹部が写っていました。
なるようになるしかないと覚悟して、そっと目を閉じました…。
先生たちの雑談をBGMに、帝王切開はさくさくと進みます。
焦げたような匂いがふわっと香ったので、電気メスでお腹を焼いているんだとわかりました。
「気持ち悪くならないように、薬を流しましたよ」と麻酔医が声をかけてくれました。
10分くらい『今何をやってるんだろう?』と思いながら時計を見ていると「ちょっと押しますねー」と言われ、体が上下に大きく揺れました。
車で大きな段差を乗り越えた時の感覚に似ています。
気持ち悪さや痛みもなく、4~5回連続で揺れました。
「はい、出ます!」の声と共にふわっと浮く感じがして、娘が取り出されました。
先生が右手で娘の首を持ち、高く掲げているのが見えて、ライオンキングのようでした。
見えたのは後ろ姿だけでしたが、赤紫色で手足が縮こまっていて、濡れていてしわくちゃです。
すぐに「アッ…、アッ…、アーーー!!」と産声を上げてくれて一安心。
感動というよりも、まず思ったのは『本当に人間が入ってた!』でした。
助産師さんが娘を受け取り、保育器に入れるのが見えます。
体を拭いたりホースで口から液体を吸い出したり、ケアをしてくれているようでした。
「吸引の勢いがすごいですけど、赤ちゃん大丈夫ですか?」
看護師さんに聞くと「大丈夫ですよ。みんなああやって処置するんです」と言ってもらえて安心しました。
しばらく見ているとケアが終わり、はりつけにされている右手へ娘を近づけてくれます。
指の背で頬に触ると生温かく湿っていて、無事に産まれてくれたことをようやく実感できました。
自分では拭えないのに涙がボロボロこぼれてきて、看護師さんが何度も拭ってくれました。
「赤ちゃんは先に新生児室に行ってもらいますね」
助産師さんと娘がいなくなり、後処置の時間です。
何かを吸いだす音、金属同士が触れる音がします。
子宮の戻りが悪く出血量が多いため、処置に小一時間かかるとのこと。
子宮筋腫の開腹手術の影響で、内蔵の癒着もあるようです。
内臓を出したまま小一時間過ごすのは嫌だなと思っていると、麻酔医から「ぼーっとできるお薬を流しましょうか?」と素敵な提案をいただきました。
意識はあって周りの声も聞こえるのにはっきりと認識できないという、不思議な感覚になりました。
意識が徐々にはっきりしてきたと思ったら、手術台からストレッチャーに移されて病室へ戻るところでした。
病室のベッドに移されると、3~4名の助産師さんが慌ただしく処置を始めます。
足にフットポンプ、膀胱にカテーテル、腹腔にドレーン、胸に心電図、左手に点滴、右手に酸素の測定器、鼻に酸素の吸入器がつけられていました。
子宮の戻りを確認するため、おへその上のあたりを指で押されますが、麻酔のおかげで痛みはありませんでした。
夫の入室が許可された後、助産師さんが娘を連れてきてくれました。
私の希望でまずは夫に抱っこしてもらい、記念撮影。


私は起き上がれませんが、腕枕のような形で娘に横に来てもらい、記念撮影ができました。
手術室のファーストコンタクトでは血液や胎脂がついていたので、お顔をちゃんと見れたのはこのタイミングでした。
そのまま娘におっぱいを吸ってもらいます。
こうすることで、母乳の分泌が促されるのだとか。
まだ産まれて2時間くらいなのに、おっぱいに近付けると一生懸命口を開けてちゅうちゅう吸っていて感心です。
帝王切開で出産すると写真撮影や抱っこができないのではと心配していましたが、自然分娩の人と同じように、夫と生まれたての娘との写真が撮れたので嬉しかったです!


今日と明日は回復に専念すべく母子同室は明後日からとのことで、娘は新生児室へ帰っていきました。
面会時間終了のため、夫は帰宅。
助産師さんが頻繁に状態をチェックしたり、産褥パットを交換しに来ます。
まだ麻酔が効いているようで、下半身の感覚はありません。
麻酔がきれたら痛いのかなーいつきれるのかなーと考えながら、スマホをいじったり出産報告をしたりしました。
出産レポ③へ続きます。
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